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名古屋家庭裁判所 昭和31年(家ロ)10号 審判 1957年3月28日

申立人 小川富美子(仮名)

相手方 野田徳治(仮名)

主文

相手方野田徳治を過料金二、〇〇〇円に処する。

本件手続費用は相手方の負担とする。

理由

相手方は昭和三二年二月一一日付履行命令(金一五、五〇〇円を同年二月二〇日までに支払うことを命ずる審判)に対し一、〇〇〇円の支払を了したのみでその余の支払を為さないのでこれが不払の理由の陳述を求めたところ同人支払能力なく支払い難いというのであるが、申立人本人、相手方本人並びに相手方父野田賢各審問の結果を綜合すると相手方に支払能力がないとは認め難く同人は不履行について正当な事由があつたものと認めることが出来ないから過料金二、〇〇〇円に処するのを相当と認め家事審判法第二八条、第七条、非訟事件手続法第二〇七条に則り主文の通り審判する。

(家事審判官 小久保義憲)

参照 (調停条項)

一、申立人と相手方は本日婚約を解消した。

二、相手方は申立人に対し同人が相手方のため立替えた一四四、五〇〇円の支払義務を認め、昭和三一年八月から同三二年三月までは月金三、〇〇〇円宛を毎月二五日(但し、同日が休祭日の時は二四日)限り、昭和三二年四月より月一〇、〇〇〇円宛を完済に至るまで(最後の月は一〇、五〇〇円)毎月二五日(同日休祭日の時は二四日)限り何れも当裁判所に寄託して支払うこと。

但し、相手方が就職した時は前項に拘らずその月から毎月一〇、〇〇〇円を前項のとおりに支払うこと。

(履行命令)

義務者野田徳治は権利者小川富美子に対し既往の立替金の延滯金一五、五〇〇円(昭和三一年八月分の残五〇〇円、同年九月分より同三二年一月分迄の合計)を昭和三二年二月二〇日までに支払うことを命ずる。

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